ナポリ通りを進み、高麗橋の交差点にある建物に『ヲサメ』と書かれた看板。
この道を通る人なら、誰もが一度は目にしたことがあるはずだ。
地域を支え続けてきた『納病院』の佇まいは、決して新しく派手というわけではない。
だが、その飾り気のない姿は、街の変遷をこの場所で静かに見守り続けてきた歴史そのものだと感じた。
「創業80年を超える病院」
歴史を感じる響きに、正直、少し構えて一歩足を踏み入れる。
そこで感じたのは、歴史ある病院特有のピリついた緊張感ではなく、拍子抜けするほど穏やかで、風通しのいい空気だった。
職員さんの事を考えた様々な改善策は純粋に応援したいと思える現場。
求人票だけでは見えてこない、この病院の本質を追いかけてみた。

事務長さんと20年勤務のスタッフさんにお話を聞きました!
今回は事務長の前野さんと納病院で看護補助スタッフとして働く戸高さんに、この病院のリアルについて色々と回答頂きました。※戸高さんは顔出しNGとの事でしたがとても優しく笑顔の素敵な方でした。

かいご図鑑編集部前野さん、戸高さん今日はよろしくお願いします!
まずは事務長の前野さん。簡単にこれまでのご経歴などお聞かせ頂けませんか?



よろしくお願いします。
そうですね、大学卒業後は医薬品関連の会社に勤務して、その後クリニックの事務長などを経て、縁あってここ納病院に参りました。
今は現場と経営層を繋ぐ「橋渡し役」として動いています。



橋渡し役ですか?
具体的にどのような動きをされているんですか?



納病院は本当に歴史のある病院です。
これまで職員さんたちが慣れてきているやり方やルールなどあります。
しかし、世の中の流れ的に、経営側としてはそこを一部変えないといけないタイミングも来ます。
そんな時に職員さん達が困らないようにしっかり声を吸い上げて、少しでも反映できるように意識しています。



大変そうですが、とても大事な役割ですね。
そして、看護補助者のまとめ役をされている戸高さん。
なんと、23歳で入職してから20年以上、ここで勤められているんですよね?



気づけば20年経っていました(笑)。
今は正社員として、同じ看護補助メンバーのまとめ役をしながら、看護師さんや他の職種の方との連携をスムーズにするための動きにも力を入れています。



20年!その「長く続けられる理由」も、後ほどじっくり深掘りさせてください。
さて、まずはお二人が働く「納病院」がどんな場所なのか、概要から教えていただけますか?
納病院の概要
■住所:鹿児島市高麗町7-1
■診療科目:呼吸器内科、消化器内科、整形外科、リハビリテーション科、放射線科
■病床数:36床
※長期療養が必要な患者を受け入れる「特殊疾患病棟」も併せ持つ



病床数は36床とのことですが、特徴として「特殊疾患病棟」を併せ持っていると伺いました。
鹿児島市内でも数少ないと思いますが、具体的にはどのような病棟なのでしょうか?



そうですね。主に脊髄損傷などの重度障害、筋ジストロフィー、神経難病といった、長期にわたる療養が必要な患者さんを対象とした専門病棟です。



「療養の場」としての役割が強いということでしょうか?



そうです。
一般的な急性期病院のように「治療してすぐに退院」という形ではなく、寝たきりの方も多くじっくりと寄り添う場所になります。
だからこそ、職種関係なく患者様の情報交換などコミュニケーションが何よりも大切になってくるんです。
20年勤めてわかった、納病院が「ずっと働ける場所」である理由
同じ現場で働くスタッフさんたちとのコミュニケーションが大事だと話す戸高さん。
比較的、介護職は転職をする人は少なくはないイメージではあるが、そんな中でも20年も同じ職場で働き続けているのには何かしら絶対に理由があるはずだと思い、そこを深堀してみました。



戸高さんは23歳で入職されてから20年。
正直、介護や看護補助の現場でこれだけ長く続けられるのは、かなり珍しいことだと思いますが、なぜここまで頑張り続けられているのでしょうか?



辞めたい!と思ったことは何度もありました(笑)
これまで先輩方には本当によくしてもらいました。
何か困ったことがあった時に「相談できる人」がいるのは本当にありがたい環境で何度も助けてもらいました。



求人広告などには「人間関係抜群!」など書いている事業所も多くありますが、ただ仲が良い関係なのか、それとも困った時にちゃんと話せる関係なのかは全く違いますよね。



そうですね!
今まで納病院にしかいた事がないので他の法人さんの事は良く分かりませんが、少なくとも今後、納病院に入職された方には、先輩方が私に接してくれたように私も接していこうと思います。
私には解決できない相談も来て困ることもあるんです(笑)
でもまず口に出して相談できる環境なんだというのは知っておいてもらいたいです。



一人で抱え込むのと、解決には至らなくても悩みを知ってもらって、どうにかしようと相談に乗ってくれる先輩がいる職場。
どっちが良いかは言わずとも分かりますね、とても素晴らしい伝統だと思います!
楽ではない現場だからこそ、みんなで「明るい」をつくる



特殊疾患病棟ということもあり、寝たきりの方やオムツ交換が必要な方も多いと伺いました。体力的な大変さもあるのではないでしょうか。



そうですね、確かにおむつ交換や入浴介助などサポートが必要な患者様も多くいらっしゃいますので、楽ではありません。
介護施設のようにレクレーションなどが頻繁にある訳ではないですが、患者様も職員も少しでも明るく過ごせるように工夫は微力ながらしています。



どのような点を工夫されているんですか??



看護補助で働くメンバーは基本、夜勤無しの日勤帯で働いているんですがその時間は「明るい日勤」をテーマに掲げているんです(笑)
「こうしよう!」という想いを共有し合えているだけでも、自然と明るくなれるんです。
デイルームをパッと明るい雰囲気にしたり、現場で少しでも気持ちよく過ごせるような工夫をみんなで出し合っています。



シンプルで分かりやすくて良いですね!
それが大事と分かっていても実践出来ていないところも多くある中で、体現されているので素晴らしいと思います!


納病院のこれからの課題



働きやすい環境作りなどはとても共感出来ました!
言いにくいかもしれませんが、働かれている方視点で逆にいまの納病院の課題は何ですか?



そうですね。
例えばですが電子カルテの導入~運用なども進めていかないといけないと思います。



電子カルテだけに限らず、最新のシステムを導入している事を転職活動の時に見て欲しいポイントとして全面的に打ち出している法人さんもありますね。



はい、そういった法人で働かれていた方からすると、今の納病院は少し物足りなさもあるかもしれません。
患者様の記録や今後の事など考え、法人として導入はあまり遅くならない方が良いとは思っています。



今すぐの導入にならないのは何か理由がありますか?



導入したくない訳では決してありません。
しかし、私たちはこれまで納病院で働かれている皆さんを大事にしたいと思っています。
働かれている方は様々な年齢の方がいますので、最新のシステムに慣れていない方もいます。
急にシステムを変えるとこれまで病院を支えて下さっている方が苦労してしまうので、導入などの時期やタイミングはいま法人側で検討している次第です。



なるほど。。。
新しいシステムの導入の関しての検討1つでも、職員さんの事を考えられているんですね!
最新システムの導入は働くうえでも大きな訴求ポイントになるとばかり思っていました。。。
しかし、あえてそこを一旦立ち止まって、いま働いている方を大事にするという姿勢こそが納病院の真骨頂かもしれません。
夜勤なし正社員も応募OK!「それぞれの事情」に寄り添う新しい働き方



ここからは具体的な募集について伺います。
現在、特に求めているポジションはありますか?



現在は「夜勤なしの日勤正社員」として働いていただける看護補助者の方を募集しています。



基本的には以下のシフトでまわしていくイメージです。
早出:7:00~16:00(休憩60分)
日勤:8:30~17:30(休憩60分)
遅出:9:30~18:30(休憩60分)



正社員で「夜勤なし」というのは、子育て中の方や生活リズムを大切にしたい方には嬉しい選択肢ですね。



そうなんです。もちろんフルシフト対応が出来る方と、土日固定休みを希望される方では給与面に差はあります。
そういった働き方の選択も「その人それぞれ」でいい。そこは大歓迎したいと考えています。
3ヶ月で完璧にならなくていい。詰め込まない「育てる」文化



未経験からチャレンジしたい方にとって、教育体制は一番気になるポイントです。
独り立ちまでの目安はありますか?



基本的には3ヶ月程度で一連の流れを覚えてもらうイメージです。でも、全部を3ヶ月で完璧に覚えるなんて難しいことは、私たちもよく分かっています(笑)。
だから、一気に詰め込むようなことはしません。



3ヶ月を過ぎても、分からないことがあれば聞いていいのでしょうか?



もちろんです!むしろ、分からないことを「分からない」と言えることが一番大事です。
私達も詰め込むのは大変です(笑)
一から学ぶ気持ちがあって、コミュニケーションを大切にできる方なら、私たちが全力でサポートします。



補足すると、この病院は患者さんの特性上、オムツ交換などの排泄介助が多いのも事実です。
そこはお仕事の1つとして理解頂いたうえで、「次に入職される方にも同じ思いやりを繋いでいこう」という気持ちがある方と一緒に働きたいですね。



それはありますね!
いくら職員の事を考える法人とはいっても、必要な業務を拒否する方の採用は難しいですよね。
そこまで正直に言って下さるとこれから応募される方もとても安心されるかと思います。
応募の前に知っておいてほしい「本当のこと」



最後に応募を検討されている方へ伝えておきたいことはありますか?
良い面だけでなく、あらかじめ知っておいてほしい注意点などもあればお願いします。



そうですね。立地上、職員用の駐車場は無いと思われる方がいらっしゃいますが車通勤自体はOKなんです。
職員用の駐車場はありますが、そこが埋まっている場合は車通勤希望の方でも空くまでは公共交通機関での通勤になります。



ご丁寧にありがとうございます、大事なポイントですね。
働くうえで知っておいて欲しいことはいかがでしょうか?



関連施設に訪問介護事業所があるため、将来的に「訪問介護を経験してみたい」といった法人内での異動・挑戦も可能です。
もちろん法人側と職員さんでしっかり話し合って決めますのでそこはご安心頂ければと思います。



納病院の一般的なイメージと実際に働いてみて分かる納病院の良さは一致しない点もあるかと思います。
色々と「これまでの当たり前」を変えている最中なので、気になることは何でも面接で聞いて欲しいです!



基本的には看護師さんも看護補助さんも人手は足りている状況ではありますが、納病院での就業に興味がある方にはぜひ一度、顔合わせだけでもさせて頂きたいですね。
納病院の「働きやすさ」データまとめ



副業もOKなんですね!
医療福祉業界では副業を認めていない法人も多いですよね。



はい。
もちろん納病院を本業として、シフト通りの出勤が出来るという条件はあります。尚且つ無理はせず健康第一にして欲しいという思いはあります。
しかし、他の業界ではむしろ副業推進がされていますし、そこは納病院としてもチャレンジしていきたいと思っています。



ちなみに院内副業とは何ですか?



そのままの意味です(笑)
本人が休みや勤務時間後など本来のシフト以外のタイミングでも、その時間帯で法人側が人手が足りていない場合、副業的に働けるイメージです。
業界的には人手不足の業界ですので、本業の勤務先を副業の勤務先として使ってもらうことで、職員さんと法人がWin-Winになれる制度もあります。



患者様の特徴や一緒に働く方など、イチから覚え直すという事をしないという意味ではとても良いですね!!



身体が資本ですし、患者様の命を預かるお仕事ですので無理はNGです。
副業を希望される場合は相談して頂き、しっかり話し合ってから決めていきたいです。



どのお話を聞いてもとても柔軟な考え方ですね!
いま色々と物価も上がる中でお金を稼ぎたいという方は多いかと思いますので助かる方は多いかと思います!



働き方や法人規定などなど職員の事を考えて、少しずつではありますが改善がされています!
まだまだ100%ではないかとは思いますが、私達もサポートしていきますのでぜひ一緒に働けるのをお待ちしています♪
かいご図鑑編集部のまとめ
これまで紹介会社のサラリーマン時代を含め、近隣病院の看護補助の求人票を数多く見てきましたが、書面上の条件だけで言えば、納病院がものすごく飛び抜けているわけではないかもしれません。
しかし、今回お二人と直接お話しして、求人票には表現出来ない「納病院で働くメリット」を肌で感じることができました。
80年の歴史を大切にしながらも、事務長と現場が手を取り合い、今の時代に合わせて本気で変わろうとしている。
一人の人間として、純粋に応援したいと思える場所でした。
条件面をなぞるだけでは決して見えてこない、この病院の「本質」と「居心地の良さ」。
もしあなたが今、どこか「一人で抱えている」ような不安を感じているなら、一度このフラットな空気に触れてみてほしい。心からそう思える職場だと純粋に感じました。




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